日本交流基金の日本語

日本語を学ぶ韓国の人たちと話していたとき、少し気になることばがありました。 「昨日明洞に行ったら、道がわからなくて困っている日本人の若い女がいたので、声をかけてみたんです。・・・」 私は「女」ではなく「女の人」、または「女性」と言ったほうがいいと思うと言います。なぜでしょうか。 新聞やニュースなどでは、加害者は「男」「女」、被害者は「男性」「女性」、というように使い分けをしているようです。類語辞典によれば、「女」は「全くなんという女なんだ」というように、女性を軽んじた使い方がされたり、時には、上品な感じを与えない場合があるとのことなので注意が必要です。「明洞で若い女がいた」の「女」の言い方が気になったのもそのような理由からだと思います。犯罪者でもなく、特にみんなから嫌われるような嫌な人でもない、具体的にある個人を指して話すときには「女」ではなく「女性」または「女の人」がいいと思います。 「男」の場合も同じで、「きのう彼女が連れてきた男は・・・」と言うと彼女の浮気相手?と誤解されないとも限りませんので、「きのう彼女が連れてきた男性(男の人)は学校の先輩です」と言いましょう。